特集 ─ 平成13年

2001

小泉旋風と、
爆裂スロットの年。

4月26日、「聖域なき構造改革」を掲げて小泉純一郎内閣が発足する。その独特の言い回しは年末に「小泉語録」として流行語大賞を受賞するほど、日本中を巻き込んだ。3月31日には大阪にユニバーサル・スタジオ・ジャパンが、9月4日には東京ディズニーシーが、同じ年に相次いで開業している。街には宇多田ヒカルの「Can You Keep A Secret?」が流れ、148.4万枚を売り上げてこの年最大のヒットになった。そして9月11日、アメリカ同時多発テロが世界を震撼させる──激動の一年だった。ホールの中でも、静かに大きな変化が進んでいた。前年末に登場した『ブラックジャック777』の“ストックタイム”という仕組みが、この年『スーパーリノ』『キングパルサー』へと受け継がれ、12月にはロデオの『サラリーマン金太郎』が一撃1万枚超えの爆発力で現れる。あまりの射幸性の高さから、のちに検定取り消しとなるほどの“爆裂”ぶりだった。記録に残っているだけで371機種が、この年ホールに並んでいる。

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第一章

4号機、それぞれの船出

2001年のホールは、前年末にネット株式会社が持ち込んだ「ストックタイム」という 新しい発想を引き継いだところから幕を開けた。ビッグボーナス成立後の一定ゲーム数、 複数のボーナスフラグを貯め込んで順に放出する──合法的に“連チャン”を演出するこの 仕組みが、この年のホールの空気を大きく変えていくことになる。詳しくは後の章で たどるが、この年の主役はまぎれもなくこの流れだった。

一方で、静かに長く続くタイプの新台も産声を上げていた。パイオニアの沖スロ 『ハナハナ-30』が、この年ラインアップに加わる。先告知をメインにした手応えの 良さが持ち味の一台で、当時これを打っていた人たちの誰も、これが20年以上続く 看板シリーズの原点になるとは思っていなかっただろう。

記録に残っているだけで、この年ホールに並んだ新台は413機種(パチンコ211・ パチスロ202)。ドル箱を積み上げる時代の延長線上で、パチスロは次第に “爆発力”がものを言う時代へと足を踏み入れていた。

小泉純一郎という新しいリーダーが世の中を沸かせていた同じ年に、
ホールの中でも一つの“革命”が、音もなく進み始めていた。
第二章

ホールの中で、世の中で

🎰 ホールの中
🗾 世の中
1月
フィーバーストII、たこ焼き八ちゃん、トップガン(SANKYO)
─
2月
フィーバーマリンゾッキー、フィーバー十二支(SANKYO)
─
3月
玉やー、フィーバー兄貴(SANKYO)
21日、任天堂「ゲームボーイアドバンス」発売/31日、大阪にユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ)開園
4月
ゴーゴージャグラーSP(北電子)
26日、小泉純一郎内閣発足。「聖域なき構造改革」を掲げる
5月
フィーバーもののけ、フィーバークィーン(SANKYO)
─
6月
─
27日、ポルノグラフィティ「アゲハ蝶」発売
7月
ゴーゴーアッコちゃん(SANKYO)
4日、桑田佳祐「波乗りジョニー」発売
8月
フィーバーワイドパワフル、ダチョウ倶楽部(SANKYO)/コンチ4X(アルゼ)
7日、『週刊少年ジャンプ』36・37合併号でBLEACH連載開始/この夏、J-PHONE「写メール」が大ヒット
9月
まわるくん、フィーバーパックワールド(SANKYO)/スーパーリノ(山佐)──シークレットストックを初搭載
4日、東京ディズニーシー グランドオープン/11日、アメリカ同時多発テロ
10月
フィーバーはっちん(SANKYO)
24日、桑田佳祐「白い恋人達」発売
11月
フィーバーゴースト(SANKYO)/島唄-30、キングパルサー(山佐)──約10万台のヒット
─
12月
フィーバードデカザウルス(SANKYO)/サンダーVII(メーシー)、サラリーマン金太郎(ロデオ)──一撃1万枚超えの爆裂機、のち検定取消
─
通年
ブラックジャック777(ネット)、ハナハナ-30(パイオニア)、ハナフダ(SANKYO) ほか計413機種──前年末に始まった「ストックタイム」を、この年の4号機が受け継いでいく
流行語大賞は「小泉語録」。映画『千と千尋の神隠し』公開/ドラマ『HERO』(36.8%)
第三章

この年の音 ── 2001年のヒット曲/オリコン年間シングルランキングTOP10

Can You Keep A Secret? のサムネイル

Can You Keep A Secret? / 宇多田ヒカル ── 年間1位・148.4万枚。2月16日発売、ドラマ『HERO』主題歌。宇多田ヒカルにとって生涯最後となる100万枚超えシングルになった。

M のサムネイル

M / 浜崎あゆみ ── 年間2位・131.9万枚。2000年12月13日発売、19thシングル。

PIECES OF A DREAM のサムネイル

PIECES OF A DREAM / CHEMISTRY ── 年間3位・113.1万枚。3月7日発売のデビューシングル。初登場2位から6週目にオリコン1位を獲得した。

波乗りジョニー のサムネイル

波乗りジョニー / 桑田佳祐 ── 年間4位・110.4万枚。7月4日発売、6thシングル。

恋愛レボリューション21 のサムネイル

恋愛レボリューション21 / モーニング娘。 ── 年間5位・98.6万枚。2000年12月13日発売、11thシングル。オリコン集計期間の都合で2001年の年間チャートに入っている。

白い恋人達 のサムネイル

白い恋人達 / 桑田佳祐 ── 年間6位・95.7万枚。10月24日発売、7thシングル。

evolution のサムネイル

evolution / 浜崎あゆみ ── 年間7位・95.5万枚。1月31日発売、20thシングル。

ボクの背中には羽根がある のサムネイル

ボクの背中には羽根がある / KinKi Kids ── 年間8位・91.9万枚。2月7日発売、11thシングル。作詞・松本隆、作曲・織田哲郎。

Lifetime Respect のサムネイル

Lifetime Respect / 三木道三 ── 年間9位・89.7万枚。日本のレゲエ楽曲として初めてオリコン週間シングルチャート1位を獲得した。

アゲハ蝶 のサムネイル

アゲハ蝶 / ポルノグラフィティ ── 年間10位・89.0万枚。6月27日発売、6thシングル。資生堂のCMソングにも起用され、自身初の年間TOP10入りとなった。

動画はYouTubeの公開プレイヤーをそのまま埋め込んでいます。再生できない場合は動画側の設定によるものです。

第四章

この年の台

2001年にP-WORLD新台スケジュールで確認できたパチンコ・パチスロは合計413機種(パチンコ211・パチスロ202)。上段は話題性の高い機種を個別カードで掲載し、下段は同じ311機種の全機種一覧(月順・パチンコ/パチスロで絞り込み可)。動画はタイトル一致・サムネ実在を確認できたものから順に付けている。

パチスロ ─ 4号機

ブラックジャック777年 要確認

ネット(発売時期は諸説あり)

業界で初めて「ストックタイム」を搭載した歴史的な一台。ビッグボーナス成立後に33ゲームまたは777ゲームのストックタイムへ入り、その間に複数のボーナスフラグを貯め込んで順に放出する仕組みで、以後の4号機の主流を作った。開発・発売元はネット株式会社、発売時期も2000年12月とする資料があり、本サイトの表記とは異なるため要確認。

調べたこと

BIG確率 設定1で1/399〜設定6で1/240、REG確率 設定1で1/655〜設定6で1/546。

スーパーリノの動画 ▶ パチスロ ─ 4号機

スーパーリノ

山佐(9月)

ボーナス以外のゲームも常にストックタイム中でありながらプレイヤーには気づかせない「シークレットストック(サイレントストック)」を初めて搭載した一台。ニイガタ電子「リノ」譲りの5G間隔連チャンをモチーフにしている。

調べたこと

BIG確率 設定1で1/303〜設定6で1/240、REG確率 設定1で1/606〜設定6で1/364、機械割 設定1で94.0%〜設定6で112.7%。

キングパルサーの動画 ▶ パチスロ ─ 4号機

キングパルサー

山佐(11月)

通称「キンパル」。スーパーリノに続くストック機で、パルサーシリーズ初のドットマトリクス表示によるチャンス演出・ボーナス告知を搭載。出荷台数は約10万台のヒットになった。

調べたこと

BIG確率 設定1で1/297.9〜設定6で1/240.9。

サラリーマン金太郎の動画 ▶ パチスロ ─ 4号機

サラリーマン金太郎

ロデオ(12月)

同名漫画とのタイアップ機。AT「金太郎チャンス」とビッグ・レギュラーの連打で一撃1万枚超えも珍しくない爆裂性能を誇ったが、あまりの射幸性の高さから後に検定取り消しとなった、4号機屈指の伝説機。

調べたこと

BIG確率 設定1で1/439.84〜設定6で1/348.60。

ハナハナ-30の動画 ▶ パチスロ ─ 沖スロ

ハナハナ-30年 要確認

パイオニア

ハナハナシリーズの初代。同時期の『オアシス』と同じリール配列に、後告知ではなく先告知をメインとした手応えを加えた沖スロで、以後20年以上続く看板シリーズの原点になった。

調べたこと

BIG確率 設定1で1/309〜設定6で1/240、REG確率 設定1で1/655〜設定6で1/364、機械割 設定1で90.5%〜設定6で106.4%。

ゴーゴージャグラーSPの動画 ▶ パチスロ ─ 4号機

ゴーゴージャグラーSP

北電子(4月)

初代ジャグラー(1996年)、ジャグラーV(1999年)に続くシリーズ3作目。筐体カラーをピンクに戻し、リプレイ絵柄をサイに変更、ワイドリールとMAXBETボタンを備えた新筐体で登場した。

調べたこと

BIG確率 設定1で1/297.8〜設定6で1/240.9。

パチスロ ─ 沖スロ

島唄-30年 要確認

オリンピア(11月)

沖スロで初めて「パトロット」演出を搭載した4代目世代のストック機。後の『南国育ち』などオリンピア・平和グループ系の沖スロに大きな影響を与えた。

調べたこと

BIG確率 設定1で1/298〜設定6で1/238、REG確率 設定1で1/252〜設定6で1/169、機械割 設定1で95.9%〜設定6で114.0%。

コンチ4Xの動画 ▶ パチスロ ─ 4号機

コンチ4X

アルゼ(8月)

「コンチネンタル」の名を継ぐ一台だが、開発中止になった幻の「コンチネンタル4」とは無関係の別物として4号機世代に登場したシリーズ。

調べたこと

BIG確率 設定1で1/399.6〜設定6で1/240.9、REG確率 全設定1/79.5。設定6の機械割169.0%(設定1〜5は資料が見つかっていない)。

フィーバー兄貴の動画 ▶ パチンコ ─ 権利物

フィーバー兄貴

SANKYO(3月)

1995年に登場した人気権利物『兄貴』の後継機。硬派なのにどこかコミカルな“兄貴”の世界観を受け継ぐシリーズの一台。

調べたこと

大当り確率は型式により1/209.5〜1/317、確変時1/56.2〜1/63.4。

トップガンの動画 ▶ パチスロ ─ 4号機

トップガン

ビスティ(1月)

映画「トップガン」の公式タイアップ機で、パラマウントの版権表記が筐体に入る。当時の社名はダイドー(ビスティへの改称は2004年)で、同社初のTFT液晶搭載機にあたる。液晶でドッグファイトが展開し小役ナビも付いたが、リプレイハズシは効かない初心者寄りの調整だった。

調べたこと

BIG確率 設定1で1/293〜設定6で1/240、REG確率 設定1で1/655〜設定6で1/364。

パチンコ

フィーバーもののけ

SANKYO(5月)

「もののけ」をテーマにしたデジパチ。有名アニメ映画との正式なタイアップかどうかは資料上確認できず、由来は不明。

調べたこと

大当り確率1/315.5、確変時1/63.1。

ダチョウ倶楽部の動画 ▶ パチスロ ─ 4号機

ダチョウ倶楽部

SANKYO(8月)

お笑いトリオ「ダチョウ倶楽部」を起用したタイアップ機。1995年の『フィーバーダウンタウン劇場』などに連なる、お笑い芸人タイアップ機の系譜の一台。

調べたこと

BIG確率 設定1で1/381〜設定6で1/240、REG確率 設定1で1/655〜設定6で1/528、機械割 設定1で95%〜設定6で122%。

Fゴーストの動画 ▶ パチスロ ─ 4号機(AT)

Fゴースト

ビスティ(11月)

1999年にSANKYOが出したパチンコ「CRフィーバーゴースト」のキャラクターを、系列のビスティがパチスロに仕立て直した1台。G型・S型の兄弟機で、BIG時4プレイ・REG時1プレイのAT「Gチャンス」を、JACゲーム中の逆押し2択のダブルアップで最大256倍まで伸ばせた。ただし倍率の元になるアシストポイントは通常時に逆押しを続けないと貯まらず、その間コイン持ちが大きく悪化するという割り切った作りだった。

調べたこと

大当り確率は型式により1/224.5〜1/315.5、確変時1/63.1。

フィーバードデカザウルスの動画 ▶ パチンコ

フィーバードデカザウルス

SANKYO(12月)

液晶まわりと盤面両サイドに巨大な恐竜役物を配したデジパチ。CRのSP/GP(確変、確率約1/315.5)と現金機DX(時短)があり、連続予告「チビキャラシステム」が話題に。翌2002年にはPS2『パチンコで遊ぼう!』にも収録された。

調べたこと

大当り確率は型式により1/215.5〜1/315.5、確変時1/63.1。

サンダーV2の動画 ▶ パチスロ ─ 4号機

サンダーV2

メーシー/アルゼ(12月)

アルゼのメーシーAT機。前作の流れを汲むシンプルな出目とAT抽選で、多くのホールに設置された定番機のひとつ。

調べたこと

BIG確率は設定1で1/356、ビッグ1回の平均獲得は約360枚、AT「イナズマラッシュ」1回の平均は約200枚。

動画のない機種は、1機種ずつ探したうえで見つからなかったものです。

全機種一覧

2001年に導入された413機種を、導入月の順に並べています。種別ボタンで絞り込めます。

読み込み中…

年表でも同じ一覧を見られます。 2001年の全機種を年表で見る →

第五章

あの頃の空気 ── ケータイとギャルと、ジャンプの新連載

この年、政治とレジャーが同時に世の中をにぎわせた。4月26日に発足した小泉純一郎内閣の 「聖域なき構造改革」という言い回しは、年末の流行語大賞で「小泉語録」としてそのまま 大賞に選ばれている。テーマパークの分野でも大きな動きがあった。3月31日、大阪に ユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ)が開園。9月4日には千葉に 東京ディズニーシーがグランドオープンし、西と東で新しい大型テーマパークが同じ年に 生まれている。ゲームの世界では3月21日、任天堂の携帯機ゲームボーイアドバンスが 発売された。

街とケータイの関係も、この年に大きく変わった。前年11月にシャープのカメラ付き携帯電話 「J-SH04」で始まったJ-PHONEの「写メール」は、2001年の夏、大規模なキャンペーンで 一気に広まり大ヒットとなる。NTTドコモの「iショット」やauの「フォトメール」が 追いかけてくるのは、この少しあとのことだ。街を歩くギャルたちのスタイルにも変化があり、 1999〜2000年に一世を風靡した色黒メイクの「ヤマンバギャル」は下火になりはじめ、入浴を 避けて汚れた雰囲気を演出する「汚ギャル」が新たに注目されはじめていた。

本屋の棚でも、新しい才能が動き出していた。8月7日発売の『週刊少年ジャンプ』36・37合併号 から、『BLEACH』の連載が始まる。同じ誌面には『ONE PIECE』や『HUNTER×HUNTER』も まだ連載中で、のちに語り継がれることになる作品群が、この年そろって走り出していた。

この年の顔

その年のCMには、当時よく見た顔がそのまま映っている。街の記録や、公式チャンネルに残っている映像とあわせて。

2001年 CM集のサムネイル

2001年 CM集 ── 21世紀最初の年に流れていたテレビCM。携帯電話やゲーム機の広告に、時代の変わり目が出ている。(昭和のおばちゃま Retoro Japan Ad Box)

動画はYouTubeの公開プレイヤーをそのまま埋め込んでいます。

第六章

4号機、爆裂の時代

ホールの外では小泉改革が話題をさらっていたが、ホールの中でも一つの“革命”が静かに 進行していた。前年12月、ネット株式会社の『ブラックジャック777』が業界で初めて 「ストックタイム」という仕組みを搭載する。ビッグボーナス成立後、一定ゲーム数の ストックタイムに入り、その間にボーナスフラグを複数貯め込んで連続放出する──合法的に “1G連チャン”を演出するこの発想は、以後の4号機の主流になっていく。

2001年、この流れはさらに加速する。9月、山佐の『スーパーリノ』は、常にストックタイム中 でありながらプレイヤーにはそれと気づかせない「シークレットストック」を初搭載。 11月には後継機『キングパルサー』が登場し、約10万台という大ヒットを記録した。そして 12月、ロデオの『サラリーマン金太郎』が、AT「金太郎チャンス」を武器に一撃1万枚超えという 桁違いの爆発力で現れる。あまりの射幸性の高さから、この台はのちに検定を取り消される── 4号機というジャンルが、規制とのせめぎ合いの中でどこまで“爆裂”できるかを試していた 時代だった。

第七章

数字で見る2001

413機種記録に残っているこの年のパチンコ・パチスロ新台数(パチンコ211・パチスロ202)
148.4万枚宇多田ヒカル「Can You Keep A Secret?」の年間売上。2001年最大のヒット
2001年3月21日任天堂「ゲームボーイアドバンス」発売
2001年3月31日ユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ)開園
2001年4月26日小泉内閣発足。流行語大賞は「小泉語録」
2001年8月7日『週刊少年ジャンプ』でBLEACH連載開始
2001年9月4日東京ディズニーシー グランドオープン
2001年9月11日アメリカ同時多発テロ
4円貸玉料金。1979年から据え置き、この頃もまだ変わらない
第八章

あなたの2001年

この年、あなたはどこで何をしていましたか。

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