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パチスロ ─ 4号機(A-400)
サンダーV
メーシー大量リーチ目と技術介入のA-400。青7図柄のインパクトと多彩なリーチ目演出で人気を博し、今も「家スロ」「懐かしの名機」系のレトロパチスロ実機動画で繰り返し取り上げられている一台。
調べたこと
BIG確率 設定1で1/293〜設定6で1/241、REG確率 設定1で1/431〜設定6で1/256。
特集 ─ 平成9年
1997
2月19日、安室奈美恵『CAN YOU CELEBRATE?』が発売される。222.3万枚を売り上げてこの年最大のヒットとなり、 いまも結婚式の定番ソングとして流れ続けるこの曲は、10月に安室自身がSAM(TRF)との結婚と妊娠を発表したことと あいまって、ひとつの時代の空気そのものになった。だが同じ年の11月24日、山一證券が自主廃業を発表する。 「祝福」の歌が1位に立つ一方で、大手証券会社が地図から消えた——1997年は、そんな年だった。 4月には消費税が5%に引き上げられ、7月には香港が英国から中国へ返還され、神戸では連続児童殺傷事件が 世の中を震撼させた。パチンコ・パチスロの世界では、これといった圧倒的な決定打が少ない一年だったともいわれる。 それでも全国には17,773軒のホールがあり、玉を弾く音は途切れなかった。街では前年発売の『たまごっち』が 品薄が続くほどの社会現象を起こし、少年ジャンプの誌面では、新連載『ONE PIECE』がひっそりと産声を上げていた。
← 思い出年表にもどる1997年が明けてまず起きたのは、新台の登場ではなく、既存機の"退場"だった。前年、爆発的な連チャン性能で 人気を博していた『CR花満開』(西陣)をはじめとする一群の連チャン機が「社会的不適合機」に指定され、 1997年1月までに全国のホールから姿を消している。射幸性を追い求めた反動が、まずホールの現場に 表れた年でもあった。
人気ランキングの頂点にいたのは、前年発売の『CRモンスターハウス』(竹屋)だった。2位の 『花見月Z&X』を大差で突き放し、この年も王座を守り続けていたという記録が残っている。1997年は、 業界誌がのちに「圧倒的な決定打が少ない一年」と振り返るような年だった。
それでも新台がなかったわけではない。パチスロでは1月、山佐の看板シリーズ『パルサー』の後継機 『ニュービッグパルサー』が登場し、青7が印象的な『サンダーV』(メーシー)や、特撮ヒーロー とのタイアップ『ウルトラセブン』(サミー)も店頭に並んだ。パチンコでは、SANKYOが『フィーバー』 シリーズを『クィーンJX』『ピストル大名』『メガクィーン』と着実に送り出し続けていた。
CAN YOU CELEBRATE? / 安室奈美恵 ── 年間1位・222.3万枚。2月19日発売、小室哲哉プロデュース。女性ソロ歴代最高セールスで、今も結婚式の定番ソングとして歌い継がれる。
硝子の少年 / KinKi Kids ── 年間2位・168.6万枚。7月21日発売、デビュー曲にして初登場1位のミリオンセラー。作詞・松本隆、作曲・山下達郎。
ひだまりの詩 / Le Couple ── 年間3位・146.0万枚。5月16日発売、ドラマ『ひとつ屋根の下2』挿入歌。初登場78位から7週目に自己最高2位まで上昇したロングヒット。
FACE / globe ── 年間4位・132.3万枚。小室哲哉率いるglobeのシングル。
STEADY / SPEED ── 年間5位・127.8万枚。沖縄出身4人組SPEEDのシングル。ドラマ『イタズラなKiss』主題歌。
PRIDE / 今井美樹 ── 年間6位・125.9万枚。7月16日発売のアルバム『PRIDE』収録曲。布袋寅泰プロデュース。
YOU ARE THE ONE / TK PRESENTS こねっと ── 年間7位・122.5万枚。小室哲哉が手掛けたチャリティー企画『こねっとプラン』のテーマ曲。安室奈美恵・globe・TRF・華原朋美らいわゆる「小室ファミリー」が集結したユニット。
Everything (It's you) / Mr.Children ── 年間8位・121.7万枚。2月5日発売、13thシングル。オリコン初登場1位のミリオンセラー。
HOWEVER / GLAY ── 年間9位・118.2万枚。8月6日発売、12thシングル。GLAY初のミリオンセラー。
White Love / SPEED ── 年間10位・116.4万枚。10月15日発売。オリコン週間1位を記録。
動画はYouTubeの公開プレイヤーをそのまま埋め込んでいます。再生できない場合は動画側の設定によるものです。
1997年に記録として残っているパチンコ・パチスロは計122機種(パチンコ37・パチスロ85)。実機の写真は使えないため、当時の実戦動画・解説動画への入口として、YouTube公式のサムネイルを表示しています(対応する動画があるものだけ)。
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パチスロ ─ 4号機(A-400)
大量リーチ目と技術介入のA-400。青7図柄のインパクトと多彩なリーチ目演出で人気を博し、今も「家スロ」「懐かしの名機」系のレトロパチスロ実機動画で繰り返し取り上げられている一台。
BIG確率 設定1で1/293〜設定6で1/241、REG確率 設定1で1/431〜設定6で1/256。
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パチスロ ─ 4号機
人魚をモチーフにした北電子の4号機。北電子はのちに『アイムジャグラー』シリーズで知られるメーカー。外部資料では12月発売とする記載もあり、発売月は要確認。
BIG確率 設定1で1/303.00〜設定6で1/241.00。
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パチスロ ─ 4号機(Aタイプ)
山佐の看板シリーズ『パルサー』の後継機として1997年1月に発売されたAタイプ4号機。ビッグ絵柄にスイカを採用し、ボーナス中の曲に『アマリリス』を使うなど前作の雰囲気を継承。のちの『ニューパルサー』シリーズに連なる系譜の一台。
BIG確率 設定1で1/292.6〜設定6で1/240.9、REG確率 設定1で1/655.4〜設定6で1/364.1。
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パチンコ ─ CRデジパチ
SANKYOのCRデジパチ。クィーン系シリーズの一台として、リーチ演出をまとめた実戦動画がレトロパチンコ系チャンネルに残っている。
大当り確率 CR機1/359(確変突入1/2・5回リミッター)/現金機1/241(時短突入3/8)。
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パチンコ ─ CRデジパチ
西部劇風のガンマンをモチーフにしたSANKYOのCRデジパチ。のちにGP・JXなど派生機も登場し、インパクトのあるリーチ演出で語り継がれている。
大当り確率は型式により1/214〜1/257。
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パチンコ ─ 現金機・時短デジパチ
SANKYO公式チャンネル「もう一度打ちたい!」シリーズが1997年の一台として振り返る現金機・時短デジパチ。図柄によって時短回数が変化する仕様が特徴。
大当り確率1/223、賞球5&13。
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パチスロ ─ 4号機
特撮ヒーロー『ウルトラセブン』とのタイアップ4号機。サミー公式サイトの製品紹介ページは発売日を1997年1月としているが、一部のレトロ紹介記事は「1996年暮れにリリース」と記す。ボーナス中に円谷プロ制作の劇中テーマが流れ、カプセル怪獣が絵柄に採用された。
BIG確率 設定1で1/315〜設定6で1/240、REG確率 設定1で1/431〜設定6で1/240、機械割 設定1で93.3%〜設定6で109.9%。
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パチスロ ─ 4号機B-Cタイプ
サミー初の本格的な技術介入マシン。順押しではボーナス成立時にリーチ目が出る「テーブル制御」だが、逆押しなど変則打ちに切り替えると出目をコントロールできる「コントロール制御」に変化する仕組みで、フル攻略時の機械割は公表値から約10%上乗せされる。BIGボーナス中には北島三郎「まつり」のインストゥルメンタルが流れ、業界初の純和風スロとされる。公開中の公式実戦動画は見つからず。
4号機Aタイプ。出玉率 設定1で90.0%・設定2で92.3%・設定3で95.1%・設定4で98.0%・設定6で105.5%(設定5は資料により100.5%と101.2%で食い違う)。BIG確率 設定1で1/309.1〜設定6で1/240.9、REG確率は設定1〜5が1/431.1で設定6のみ1/364.0。BIG1回の平均獲得はフリー打ちで約343枚、フル攻略時は約407枚。サミー初の本格的な技術介入機で、攻略により機械割が約10%上がった。
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パチスロ ─ 4号機Aタイプ
名機『クランキーコンドル』の直系後継機。1コマ目押しを要求するリプレイハズシなど技術介入の難度をさらに引き上げ、機械割は設定1の95.5%から設定6の105.2%(フル攻略時)。あまりの辛さに「打ち手を選ぶ」と評され、翌1998年に払い出しを増やした『クランキーコンテスト2』が出るも人気は戻らなかった。
BIG確率 設定1で1/273〜設定6で1/241。
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パチスロ ─ 4号機B-Cタイプ
サミー初のB-Cタイプ(集中役搭載機)。目標販売台数2万台にちなむ名で、集中役「マンモスラッキー」突入を知らせる史上初のサウンドリーチ目機能や、パンク率を極限まで抑えた設計で4号機屈指の集中出玉を実現した。公式には1997年8月発売と案内されているが、他資料は7月とする。
BIG確率 設定1で1/2340〜設定6で1/2048、REG確率 設定1で1/234〜設定6で1/188。
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パチスロ ─ 4号機A-Cタイプ
一直線に並んだ7絵柄の合計点で当りが決まる「プラス式ボーナスシステム」搭載。合計7点以上でBIG、6点でREG、5点以下でSINという斬新さで一気に人気機となったが、盤面を強く押してリールを止める不正(ゴト)が発覚し、対策機『セブンティセブン2』の緊急投入を招いた。
4号機のA-Cタイプ。BIG・REG・シングルボーナスの集中役を搭載。リールの7絵柄は1〜3個描かれており、揃った7の点数合計でBIG(7・8点)/REG(6点)/シングルボーナス(3〜5点)に振り分けられる。JACゲームは6回または12ゲーム消化。A-C機では珍しくリプレイはずしが有効で、通常より20〜30枚多く獲得できた。設定別の出玉率とボーナス確率は、この機種名義の数値が見つかっていない。
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パチスロ ─ 4号機A-Cタイプ
『セブンティセブンA』で発覚した盤面押しゴトへの緊急対策機。リールを奥側へ傾斜させる変更を加えたが、この違和感が不評となり、いったん離れた人気が戻ることはなかったと伝わる。公開中の公式実戦動画は見つからず。
4号機のA-Cタイプ。出玉率 設定1で95.1%〜設定6で107.8%(設定2で97.5%、設定3で99.9%、設定4で102.3%、設定5で105.5%)。BIG確率 設定1で1/409.6〜設定6で1/348.5、REG確率 設定1で1/224.4〜設定6で1/180.0。出玉の要となる集中役は設定1で1/819.2〜設定6で1/528.5で突入し、パンク役は1/140.0〜1/148.9。集中役1回あたりの理論平均獲得は448〜465枚。
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パチスロ ─ 4号機Aタイプ
カエルをあしらった山佐のノーマルタイプ。BIGボーナス中の2枚チェリー出現率に設定差(設定1と6で約2倍)を持たせ、遊技中に設定を推測できる仕組みの元祖とされる。この方式はのちの『タムタムA』『タムタムR』にも受け継がれた。
BIG確率 設定1で1/309〜設定6で1/241、REG確率 設定1で1/630〜設定6で1/455。
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パチスロ ─ 4号機Aタイプ
カバをモチーフにした山佐のAタイプ。絵柄それぞれに数字を割り当て(BAR=7、カバ=6など)、中段一直線の合計が7か17になればリーチ目という、当時としては斬新な足し算式のゲーム性を採用した。公開中の公式実戦動画は見つからず。
4号機Aタイプ。出玉率 設定1で95.9%〜設定6で107.3%(設定2で98.3%、設定3で100.6%、設定4で102.9%、設定5で105.2%)。BIG確率 設定1で1/292.5〜設定5・6で1/240.9、REG確率 設定1で1/546.1〜設定6で1/364.0(数値は1情報源のみ)。全絵柄に数字が割り振られ(リプレイ1・ベル2・オレンジ3・チェリー4・BIG5・カバ6・BAR7)、中段一直線の数字を足して7か17になればリーチ目という独特の判別法を持つ。正式表記は「そんなKABAな」。
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パチスロ ─ 4号機Aタイプ
『バニーシリーズ』の後継。中段単チェリーやズレ目などシリーズ伝統のリーチ目を継承したが、名機『スーパーバニーガール』にあった小役集中が4号機規定で搭載できず、大ヒットには至らなかったと伝わる。
BIG確率 設定1で1/309〜設定6で1/240、REG確率 設定1で1/431〜設定6で1/327、機械割 設定1で94.0%〜設定6で106.0%。
IGT第4作。前作『トリコロール96』とリール配列・役構成・ボーナス確率をほぼ引き継いだマイナーチェンジ版で、自社ブランド名を刻んだBAR絵柄を業界で初めて採用した。同年の『ジョーカーズワイルド』『ダブルダイヤモンド』とあわせIGTの1997年3機種のひとつ。公開中の公式実戦動画は見つからず。
BIG確率 設定1で1/282.5〜設定6で1/240.9。
子豚をモチーフにした尚球社のA-Cタイプ。JAC(レギュラーボーナス)の払い出しを12枚とした業界初の機種とされ、同時期の『セブンティセブンA』と並ぶ同社の主力ラインだった。公開中の公式実戦動画は見つからず。
BIG確率 設定1で1/356〜設定6で1/244、REG確率 設定1で1/686〜設定6で1/481。
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パチスロ ─ 4号機Aタイプ
相撲をモチーフにしたマツヤ商会のAタイプ。左リールと右リールが役の構成に関わり、中リールはどの絵柄でもよい(ANY)という珍しい配当構成を採用した。公開中の公式実戦動画は見つからず。
BIG確率 設定1で1/302〜設定6で1/239、REG確率 設定1で1/594〜設定6で1/361。
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パチスロ ─ 4号機Aタイプ
オリンピアのAタイプ。REG絵柄に「66」という2桁数字を採用した業界初の機種とされる。公開中の公式実戦動画は見つからず。
BIG確率 設定1で1/303〜設定6で1/240、REG確率 設定1で1/431〜設定6で1/264。
サムネイルはYouTube公式が提供する画像です。クリックすると各動画のページが開きます。動画のない機種は、1機種ずつ探したうえで見つからなかったものです。
ほか103機種。 1997年の全機種を年表で見る →
本屋・コンビニの棚では、静かな転換点があった。1995年に653万部という歴代最高部数を記録した 『週刊少年ジャンプ』は、『ドラゴンボール』『SLAM DUNK』という看板作品が相次いで終わった反動で、 1997年には発行部数が約400万部にまで落ち込んでいた。ジャンプの黄金期が終わりつつあったそのさなか、 7月22日発売の1997年34号で、無名の新人・尾田栄一郎による新連載『ONE PIECE』がひっそりと始まる。 この時点でこの作品が、のちに世界一売れる漫画になるとは誰も知らなかった。
音楽の世界では、この年のトップを飾った安室奈美恵が、街の空気そのものを体現していた。 『CAN YOU CELEBRATE?』が年間1位の大ヒットとなる一方、10月22日には安室本人がダンサーのSAM(TRF) との結婚と妊娠を発表。9月まで行った4大ドームツアーは「18歳にして史上最年少」の記録となり、 その直後から彼女は出産・育児のため1年近く活動を休止する。祝福の歌がホールでもラジオでも 流れ続けた年に、その歌い手自身が「祝われる」側に回った——そんな一年だった。
その年のCMには、当時よく見た顔がそのまま映っている。街の記録や、公式チャンネルに残っている映像とあわせて。
1997年(平成9年)1月 全国TVCM集 ── その年に実際に流れていたテレビCMをまとめたアーカイブ映像。当時の商品・言葉遣い・空気感がそのまま残っている。
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11月3日、準大手証券の三洋証券が東京地裁に会社更生法の適用を申請した。証券会社に更生法が 適用されるのは戦後初めてで、負債総額はグループ全体で8,384億円(三洋証券単体で3,736億円)。 この破綻の余波で無担保コール市場が戦後初めてデフォルトを起こし、銀行間の資金融通に 疑心暗鬼が広がっていく。わずか2週間後の11月17日、その混乱の中で北海道拓殖銀行(拓銀)が 経営破綻を発表した。都市銀行の破綻は、これも戦後初めてのことだった。
そして11月24日、勤労感謝の日の振替休日。四大証券の一角だった山一證券が、東京証券取引所で 緊急記者会見を開き、自主廃業を発表する。前夜までの調査で、含み損を帳簿に載せない「飛ばし」 という手法によって隠されてきた簿外債務が2,648億円にのぼることが確認されていた。負債総額は 3兆円を超え、事実上、戦後最大の企業倒産となった。創業からちょうど100年、従業員約7,500人を 抱える会社の消滅だった。約2時間に及んだ会見の最後、野澤正平社長は用意した原稿を離れて 突然立ち上がり、声を絞り出すようにこう訴えた。
涙ながらのこの一言は、経営破綻という重いニュースの中で、社員を守ろうとする経営者の姿として 翌日以降大きく報じられた。三洋証券・北海道拓殖銀行・山一證券——わずか3週間のうちに準大手証券、 都市銀行、四大証券が相次いで姿を消し、日本は戦後経験したことのない金融危機に突入する。 ホールの外側で起きていたこの出来事は、パチンコ・パチスロ業界にとっても他人事ではなかった。 「決定打なき年」と呼ばれる1997年のホールの空気は、こうした社会全体の重苦しさとも 無縁ではなかったはずだ。
前年1996年11月23日にバンダイが発売した携帯育成ゲーム『たまごっち』は、当初の初回オーダーが わずか6万個という慎重な計画だった。価格を1,980円に抑えるために出荷数を30万個へ増やして 発売したが、直前のテスト販売での反響の大きさから、発売前にすでに100万個へ再上方修正 されている。それでも追いつかなかった。1997年に入ると品薄状態が続き、バンダイは年明けまでに 55万個を出荷したものの、3月末までに累計300万個を売り切る事態となる。深夜から店の前に並ぶ客、 200個の入荷に5,000人が並んだという記録、バンダイに1日およそ5,000件かかってくる問い合わせの 電話——社会現象と呼ぶほかない熱狂が1年続き、1997年内の累計出荷はおよそ1,000万個規模にまで 膨れ上がった。
この年の新語・流行語大賞で『たまごっち』はトップテン入りし、翌1998年には海外でもブームとなって 1997年度のイグ・ノーベル経済学賞まで受賞するという珍事も起きている。過熱の反動は大きく、供給過多が 響いて1999年にはバンダイが45億円の損失を計上することになるのだが、それでも1997年のあの熱狂は、 携帯型の育成ゲームというジャンルを日本中に知らしめた瞬間だった。
たまごっち 関連CM集 1997〜1999年 ── 当時実際に放送されていたたまごっち関連CMをまとめたアーカイブ映像。
200個の「たまごっち」に5000人が並ぶ(日テレNEWSアーカイブ) ── 日本テレビ公式チャンネルが公開する、1997年当時の行列を伝える同時代のニュース映像。
動画はYouTubeの公開プレイヤーをそのまま埋め込んでいます。
この年、あなたはどこで何をしていましたか。